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富士宮と、わたし。
このまちを訪れた人、挑戦した人、離れていても関わりを続ける人。
住んでいなくても、このまちとつながっている。
富士宮に関わる人たちに、それぞれの「富士宮とのつながり」を聞きました。
富士宮と、わたし。#01

「何かをしたい人」と「何かが足りない地域」が出会う場所。
地域おこし協力隊インターンをきっかけに富士宮と関わった木村さん
大学生活を送る京都から、ほとんど知らなかった富士宮へ。
地域おこし協力隊インターンとして3か月間、地域のさまざまな人と出会い、地域での仕事や暮らしを経験した木村さん。
「地方で何かをやってみたい」という漠然とした興味から始まった富士宮との関わりは、実際の地域に飛び込むことで、「自分の頭の中で考えること」と「現場で起きていること」の違いを知る経験になったといいます。
富士宮で何を見て、誰と出会い、これからどんな関わりをつくっていきたいのか。話を聞きました。

富士宮市に関わったきっかけ
「知らない場所だからこそ、行ってみたかった」
もともと群馬県出身で、現在は京都の大学に通っています。地方で生まれたこともあって、以前から地方創生や地域での取組には興味がありました。
ただ、「絶対にこれがやりたい」というものがあったわけではありません。
富士宮に来るきっかけになったのも、大学の同級生から地域おこし協力隊インターンの話を聞いて、「そんな経験ができるなら、やってみようかな」と思ったことでした。
当時は富士宮のことをほとんど知らなかったですし、知り合いもほぼいませんでした。でも、むしろそれが良かったのかもしれません。
仲の良い人がいる場所なら、何となく乗り切れてしまう。でも、全く知らない場所や人の中に飛び込むからこそ、自分にとって新しい経験になる。
「知らない場所だから怖い」というより、「知らない場所だから面白そう」という感覚の方が強かったですね。
富士宮市に来てやってみたこと
頭の中の「こうすればいい」を、現場で確かめる3か月
富士宮では、農家さんやニジマスの養殖に携わる方、牧場をはじめとした地域の事業者など、本当にいろいろな人に会わせてもらいました。
インターネットで検索するだけでは分からないことを、実際に現場へ行って、そこで働く人から直接聞く。そうした「一次情報に触れる経験」ができたことは大きかったです。
特に印象に残っているのが、DXやシステム導入について考えたときのことです。
最初は、「このシステムを導入すれば、もっと効率的になるのではないか」と考えていました。
でも、実際に地域の事業者を訪ねてみると、紙とペンを中心に仕事をしていたり、そもそもパソコンを日常的に使っていなかったりする。
そこで初めて、「システムを入れること=その人にとっての正解ではない」と気づきました。
学生として外から考えていた「こうすればいい」という仮説と、現場にある現実は全然違う。その違いを自分の目で確かめられたことは、大きな学びになりました。
また、地域の中学校で授業をしたり、「みやこBase」の立ち上げに関わったりと、自分たちが考えたことを実際の地域で形にしていく経験もできました。
アイデアを考えるだけではなく、実際に誰かと一緒に動いて、形にするところまで経験できた。
それは、大学の中だけではなかなか得られない経験だったと思います。

富士宮市で楽しかったこと、良かったこと
一番の魅力は、やっぱり「人」
富士宮に来て一番良かったのは、いろいろな人と出会えたことです。
普通の大学生が突然地域を訪ねて、「話を聞かせてください」と言っても、なかなか難しいですよね。
でも、地域おこし協力隊インターンという立場があったことで、一人の人から別の人へ、さらにその人から次の人へと紹介してもらい、地域の中にどんどんつながりができていきました。
これから何をするにしても、人とのつながりは大切だと思っています。そのつながりを学生のうちにつくれたことは、とても大きかったです。
暮らしそのものも楽しかったですね。同じように「何かをやってみたい」と思っている人たちが周りにいて、みんなで過ごす。感覚としては、3か月間ずっと修学旅行や合宿をしているような感じ(笑)。


でも、ただ楽しいだけではありませんでした。
富士宮には、自分で何かを始めたり、誰かの挑戦を応援したりする人が多いと感じました。
僕自身、最初に来たときからいろいろな人を紹介してもらって、会った人たちも「この人に何ができるだろう」「どうしたら手助けできるだろう」と考えてくれた。
そういう文化があるから、何かをやってみたい人にとって、挑戦しやすいんだと思います。
僕は、地方には「何かをしたい人」と「何かが足りていない地域」が出会える可能性があると思っています。
やってみたいことがある人と、その力を必要としている人がいる。その二つがうまく出会えば、自分一人ではできなかったことを等身大のところから始められる。
富士宮は、それが起こりやすい場所なんじゃないかなと思います。

自分の住んでいるところと富士宮市のギャップ
面白い大人はたくさんいる。でも、同世代と出会う場所が少ない
京都と比べて感じた大きな違いは、若者同士がつながるコミュニティがあまり見えないことでした。
京都には、大学という場所だけではなく、企業が主催するイベントなど、大学の枠を越えて学生が集まる機会があります。
「何かやってみたい」「新しいことを始めたい」という学生がそこに集まって、大学が違ってもつながっていく。
僕自身、京都でできた大学外のつながりの多くは、そうした場所から生まれています。
一方、富士宮での3か月間を振り返ると、地域で面白い活動をしている大人には本当にたくさん会いましたが、富士宮に住む同世代の若者と出会う機会は、ほとんどありませんでした。
もちろん、経験のある大人たちと関われたからこそ成長できた部分も大きいので、これは悪いことだけではありません。
ただ、「何かやってみたい」と思っている若者同士が、所属に関係なく出会える場所があったら、富士宮はもっと面白くなるんじゃないかと思います。

これからの富士宮市との関わり方
「ちょっと変で、面白い若者」が出会えるコミュニティをつくりたい
これから富士宮でやってみたいのは、若者のコミュニティづくりです。
これは、自分が富士宮で生活しているときに「こんな場所があったらいいな」と感じたからこそ、興味があります。
何かをやってみたい人、行動している人、ちょっと変わっているけれど面白い人。
そういう若者が自然と集まって、そこに地域の面白い大人たちも関わっていく。
そこで誰かと出会ったことをきっかけに、「じゃあ、こんなことやってみようよ」と次の活動が生まれていく。
そんな場所ができたら面白いと思っています。
一方で、京都から富士宮へ継続的に通うには、距離も交通費もかかります。ただ「また遊びに来て」と言われるだけでは、関わり続けるのは難しいのも現実です。
だからこそ、「この人に会いたい」「ここに来たら面白い経験ができる」「自分の将来につながる何かがある」と思えることが大切なんだと思います。
富士宮には、すでに面白いことをしている人がたくさんいます。
そういう人たちと若者が出会い、また新しい人を呼び、その人が次の挑戦を始める。
そんなつながりをつくることが、これからの自分なりの富士宮との関わり方になったらいいですね。

