世界遺産富士山
2016年05月25日掲載
世界遺産富士山の構成資産である「白糸ノ滝」の整備について掲載しています。
白糸ノ滝は、1936(昭和11)年に国の名勝及び天然記念物として指定されました。指定後は、景勝地(観光地)として認知度が高まり、来訪者が急激に増加(昭和中期200万人/年)したことから、開発が急速に進み、売店が乱立したことで、白糸ノ滝の文化財としての本質的な価値が失われるような事態となりました。
そこで、1988(昭和62)年に第1次保存管理計画、2010(平成22)年に第2次保存管理計画を策定し、適切な保存管理及び周辺の景観を含めた整備・活用の基本方針を定めました。さらに、2011(平成23)年には、各方面の権威である委員から構成される、『名勝及び天然記念物「白糸ノ滝」整備委員会』を組織し、2012(平成24)年には、整備方針等をまとめた白糸ノ滝整備基本計画を策定しました。
平成23年度以降、整備基本計画に基づき整備したことにより、多くの問題点等が解消されてきましたが、10年が経過し、新たな問題点や課題等が浮き彫りになってきたことから、2023(令和5年)年に白糸ノ滝整備基本計画の改定を行いました。
第一次保存管理計画策定(昭和62年)から20年余りが経過し、平成22年に保存管理の見直しが行われました。第二次保存管理計画は、名勝及び天然記念物「白糸ノ滝」が持つ本質的価値を改めて明らかにするとともに、その価値を次世代に継承していくための適切な保存管理の方法を定めたもので、具体的な現状変更等の取扱基準や、周辺の景観を含めた整備・活用の基本方針を示したものです。
「白糸ノ滝」の価値を次世代に継承するため、現在の名勝としての風致景観及び天然記念物としての地形・地質を適切に維持管理するとともに、指定当時に比して潜在した価値の顕在化や回復、望ましい風致景観への改善等、適切な保存管理を行う。
そのため、現状の問題点を踏まえ、風致景観の向上、本質的価値の共有、安全性・快適性の向上の3つを基本理念として位置づけ、整備方針を立てるものとする。
滝の眺望を阻害する人工物等の撤去を行うとともに、滝の眺望視界に入る護岸、展望場などについては、本質的価値が享受できる風致景観の整備を行う。
本質的価値については、市民や来訪者の間に広く広報・情報提供を行い、富士山の文化を学ぶ場、育む場として活用する。
橋の架け替えや車両の進入制限などにより、来訪者の安全性・快適性を確保する。また、回遊性を持った歩経路、展望場、休憩場の整備、案内サインの設置など来訪者にとって必要な整備を行う。
・平成25年 4月 案内所・トイレ整備工事が完了し、施設が新しくなりました。
・平成25年12月 滝つぼ周辺整備工事が完了し、滝見橋が新しくなりました。
・平成27年 5月 白糸の滝の右岸上部に、白糸の滝と富士山を一緒に鑑賞できる展望場が完成しました。
・平成28年 4月 白糸ノ滝と白糸自然公園を結ぶ散策路がオープンしました。
(滝つぼから自然公園までの距離は約500mで、所要時間は約15分です)
・令和 2年 4月 富士山・白糸ノ滝テラスがオープンしました。
(点在していた売店が集約化され、芝生広場も整備されました)
・令和 5年 9月 音止めの滝展望場がオープンしました。
企画部 富士山世界遺産課 計画推進係
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