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目次
令和7年度第1回総合教育会議
令和7年9月11日に令和7年度第1回総合教育会議を実施しました。
令和7年度第1回総合教育会議
- 日時:令和7年9月11日(木曜日)午前10時から11時50分まで
- 場所:大富士小学校
- 議題:学校の多様なこども達への支援状況について
議事録
開会
市長挨拶
(教育総務課長)
初めに、総合教育会議の主催者であります須藤秀忠富士宮市長から御挨拶をお願いいたします。
(市長)
皆さんこんにちは。本日は、総合教育会議に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の総合教育会議の議題は、「学校の多様なこども達への支援状況について」であります。現在、学校では、1人1台端末を利用した授業、外国籍の児童への支援、発達障害のある児童への支援、また、不登校児童に対する支援等、様々なものが行われています。
本日は、大富士小学校でその支援状況を見学させていただき、学校の多様な支援状況について皆様の理解がより一層深まることを期待し、私のあいさつとさせていただきます。
議事
(教育総務課長)
ありがとうございました。それでは議事に入りたいと存じます。ここからの議事進行につきましては、須藤市長、よろしくお願いします。
(市長)
それでは、次第に従いまして、議事を進めさせていただきます。
本日の議題は、学校の支援状況についてであります。
はじめに、大富士小学校の校長から見学する教室について説明をしていただきます。よろしくお願いします。
(大富士学校長)
皆さん、こんにちは。
今日は、市長はじめ教育長、皆さんに来ていただくということで、大富士小学校を選んでいただいて本当にありがとうございます。これを機会に、学校も綺麗になりましたので、良かったと思います。富士宮市の中で、外国籍の子も多く、不登校が多いということで、ある意味先進校になっており、これからの学校は多分そういう学校が増えてくると、ぜひそういう意味ではこの取組が、職員とともに成果が挙げられると良いなと思います。市の方からは、こども支援員を増員していただいたり、エアコンも教材室等の小さい部屋にも付けていただいたりして、本当にありがたいなと思います。学校教育課や教育総務課の皆さんにわがままを言いながら、本当に学校のためにいろいろと御協力いただきありがとうございます。
それでは、今日の説明をさせていただきます。大きく三つあります。一つは、不登校傾向のこどもたちが学習している部屋、そよかぜルームになります。もう一つは、通級指導教室、たんぽぽ教室と言っていますが、そこでLD傾向のこどもたちが週1回授業を抜けて、そこで一対一で授業を受ける。三つ目が外国人のこどもたち、外国にルーツを持つこどもたちを国際理解教室というところに招いて、日本語教育を指導しています。
それでは、まず不登校についてお話します。本校では、不登校傾向で教室に入れないこどもたちがいます。そのこどもたちへの対応として、一つはそよかぜルームで、こどもたちが学習しています。それぞれが違う勉強をしています。担任とプリント学習をしたり、その学年、その子に応じた学習をしています。もう一つは、そよかぜルームに入れない子もいます。その部屋では集中できないとか、人間関係で落ち着けないこどもが、多目的教室というところで、リモートで授業を受けています。さらに、教材室で学習している子もいます。その子たちは授業によって教室に戻ったり、教材室を行ったり来たりする、そんな形でやっています。あと、他の子たちとも一緒にできない子もいるので、保健室で学習をしている子もいます。その他には、校長室に来て学習する子がいたり、その子に応じてという指導をしています。そよかぜルームにいる子たちは、自分の家庭の状況で、その子たちのリズムで学校に登校して、その子たちのリズムで帰っていくというような生活をしています。それで、後で見ていただければ分かるのですが、そよかぜルームの中に、またパーテーションを作って、なおかつラーメン屋の一蘭のような形で、段ボールで簡易的に区切って、周りの子の目が気にならないという状況で学習していくような形を今とっています。そこに、今年こども支援員を付けていただいて、授業はできないのですが、こどもたちの安全安心ということで見守っていただいているので、今年はとても助かっています。
それで、今考えているのは課題も出てきまして、そよかぜルームは居心地が良いものですから、抜けられない、ここにずっといたいという子たちが出てきていしまって、なおかつ他にもそよかぜルームで勉強したいという子が出てきてしまって、それは悪いことではないのですが、あまりにもそれだと職員の数に限りがあって対応できないので、今考えているのは、そよかぜルーム、そよかぜを教室にということで、そよかぜルームの自分のペースでできて自分のやり方でできるということを、教室の中でも入れていかなければ駄目じゃないかということで、一斉指導をできるだけ減らして、その子に応じた授業がどこまでできるか分かりませんが、そよかぜルームで許されていることはある程度共通の中でも許そうということで、画一的にやるのではなくて、例えば、算数であれば、復習のプリントをやってもいいとか相談しながら、今後はそういうような対応をしていかなければいけないのかなと思っています。
次にたんぽぽ教室です。通級指導教室にもこどもが通っています。発達障害といわれる自閉傾向のこどもやADHD、LDといわれるこどもたちが来ています。週1回、指導者のもと一対一で授業をやっています。そこには保護者の方も一緒に入ったり、保護者の方が見ていただいたりして、保護者の方はそのやり方を見て、家庭でそのやり方を家庭学習に生かす形でやっています。今後もその子に応じた指導ということで、その子の状況に合わせながら、指導するようにしています。ベテランの教員がやっていますので、かなり成果が上がっています。こどもたちも先ほど言ったように、ここに来るときは生き生きとしているのですが、教室に行くとやっぱり疲れちゃうということがありますので、ここもまたたんぽぽ教室のそういう考え方を教室に入れていくことが必要なのかなということで職員と話をしているところです。
三つ目は、国際理解教室というものなのですが、ここには外国にルーツを持つこどもたちが来ています。どういうものかというと、本校には約30名のこどもが外国にルーツを持っています。一番多いのはブラジルで、その後、中国、ボリビア、ドミニカ、フィリピン、スリランカ、ペルーで、帰国子女のこどももいます。その中で日本語ができるこどももいるし、関係のないこどももいるのですけれども、ここも先ほどの通級教室と同じように、こどもが取り出しということで、週に1回、教室の授業を抜けて、その部屋に行って、日本語の教育を受けたり、テストの読み上げをしたり、その子に寄り添った指導、支援をしています。それと、外国にルーツを持つこどもたちにはそれ以外に、授業以外に、通訳とか、担当教員がその授業に入ってそのこどもの横にサポートして入って教員が言っている言葉を伝えたり、学習の補助支援をするというようなことをやっています。そういう中で、こどもたちが教室で授業を受けられるようになってきたなと、元々いる先生方から聞きます。これもまた市の方で手厚くしていただいて、こどもたちも進んで学習できているのかなと思います。ですので、繰り返しになりますが、本校の課題はそういうものが整備されてきたが、そこからどうやって教室に戻すかということと、他のこどもたちとどうコミュニケーション能力をつけていくかということが大きな課題で、授業改善と結びつけて、そよかぜを教室にを合言葉にこれからやっていけると良いかなということで、教室の中にも段ボールがあってというこどももいてもいいだろうし、そういうような授業のやり方もこれからの私達の大きな課題だと思います。具体的には見ていただいて、またご意見いただければと思います。私からは以上です。
(市長)
ありがとうございます。懇切丁寧に説明をしていただきましたが、メモが追い付かないので、資料を出していただけるとありがたい。
(教育委員)
市長よろしいでしょうか。
今の校長の説明をお聞きして、一般的な不登校児童について様々な形で対策をしているわけですけれども、こういう学校に来ているけれども、教室に行けないといわば不登校というより、言い方はおかしいかもしれませんが不教室のような、そういう子たちの存在やその子たちへの対策を今お聞きしたのですが、私どもが今まで話をしていた、例えば、30日以上の不登校のこどもたちの対策を議論しているわけですよね。このいわゆる不教室の子たちは、その不登校の中に入っているのでしょうか。
(学校教育課長)
学校には登校できているものですから、入っておりません。不登校ではないのですが、何らかの問題を抱えていて適応できていないというか、要は集団の中で学ぶことに抵抗を抱えているお子さんも、校長がお話してくださったように、各学校に何人かはいる状況です。
(教育委員)
私ども不登校といって対策を工夫しているつもりでしたが、実は不登校になりそうな、あるいは多くはないけれども不教室のこどもたちがいるという認識を持っていなかったので、ますます深刻な状況だと感じました。不登校の子も右肩上がりで毎年増えています。それをどうしたら良いのかというところに目が向くのですが、それ以外にも今の不教室の子たちに対する対策も、各学校の先生たちのイニシアチブだけではなく、教育委員会としてもしていかなければならない。県教委の方も何らかの形で把握していると思います。
(学校教育課長)
多様なこどもたちがおりますので、おそらく本日、大富士小学校で見学をさせていただく中で、各学校で先生方が様々な工夫をしながら、こどもたちに関わってくださっているので、新規の不登校としてカウントする児童生徒を増やさないように各学校では、未然防止ではないのですが、精一杯頑張ってくださっていて、そこから何人かが教室にまた戻って、皆の中で勉強ができるような体制をということで、各学校でもすごく努力してくださっています。教育委員会としてもそういう状況は把握しておりますので、今回支援ということで、先生たちの手も限られていますので、少しでも支援員という形でサポートできる人たちを配置できればということで取り組んでおります。
<授業見学>
(市長)
それでは、ただいま大富士小学校の多様な支援状況について見学をさせていただきましたが、皆様の御意見、御感想をお伺いしたいと思います。
(教育委員)
今日はありがとうございました。多様なこどもに対応する誰一人取り残さないという学校側の気概がとても環境整備だとか、声かけに生きているような気がいたしました。こどもたちに寄り添う教員の姿勢も、恐らく学校の研修等で深めてくださっているのだろうなと感じましたし、また学校のこういった丁寧な学級指導、個別指導を支えてくださる市の行政の理解と協力がなければできないことだと思いましたので、数字で整理ができるということだけでなく、そういった思いをつないでいくスクールソーシャルワーカーだとか、福祉や教育を結ぶ人がいないとできないことだなと感じました。
通級指導教室も見せていただいたのですが、親御さんが同席するというのは、言語の通級指導教室もそうなのですが、教員がその子に関わる様子、仕方を保護者がそばで見ていて、関わり方を保護者が学ぶ場でもあると理解していますので、先ほど頂いた書類を見ますと、たんぽぽ教室、通級指導教室にはほとんど大富士小学校在籍のこどもたちの名前があって、他校から数名来ているので、その選択についても他校だって恐らく規模の大小にかかわらず、同じような課題を抱えたこどもたちはたくさんいると思うのです。こどもへの支援だけでなく、その子に関わる家庭のありようや保護者の悩みを考えると、こういった大富士小での取組が少しずつ広がっていくと良いなと思うのですが、それには時間も場所も、そしてお金も人件費等もかかるのだなということを今日は痛感しましたので、これからも目先の教育でなく、こどもの人数は減っていくのですが、5年、10年先、多様な特性を持つこどもたち、特性の大小にかかわらず、その個性を生かせていけるような教育の在り方について、先ほど校長の説明の中の言葉でそよかぜを教室にという言葉があって、とても感銘を受けたのですが、その発想で研修等が膨らんでいく、広がっていくと、とても教員も成長が見られるのかなと感じましたので、また研修の進捗状況等がありましたらお知らせいただけるとうれしいなと思って拝見いたしました。ありがとうございました。
(市長)
それでは、続きましてお願いします。
(教育委員)
今日はありがとうございました。大変勉強になりました。先ほど私の方で質問をしましたけれども、学校に来ても教室に入れないということが多様な形で課題を抱えているということが見学させていただいてよく分かりました。
その一つが、やっぱりその精神状態だったり、あるいは情緒だったり、その他様々な障がいを持った上で、なおかつ日本語が通じないということを抱えていらっしゃる。そうなると、指導する側についても、いろいろな言語を使いながら指導をなさっているという現場を見せてもらいまして、様々な支援員の整備も教職員の対応なども、例えば量的にも足りないし、今言うように質的にも大変十分なのかなということを思ったところです。
もう一つ、委員から話がありましたけれども、校長から話がありましたそよかぜ学級のいいところを通常教室の中にまた展開していくといったお話ですけれども、すばらしい発想だと思いますし、それが現場の要求としてそういうふうになってきている。特にこどもたちの意見がそんなふうになっているということをおっしゃいまして、私たち社会もやっぱりノーマライゼーションという話で、よく自由な行動ができない人たちが安心できるようなまちづくりをすると。実はそれは健常者と言われる人たちにとっても非常に住みやすい社会だということで、見直すような方向になってきて、様々なところで今実現されているわけですけれども、学校のいわゆる教育の在り方も同様に、まさしくそよかぜ化といいますか、そよかぜのいいところを広げていくという前向きな取組をなさっているということについて、大変いいことだなと思いました。
(市長)
どうもありがとうございました。
それでは、続いてお願いします。
(教育委員)
今日は見学させていただいてありがとうございました。まず、6年生の授業のところでGIGAスクール、1人1台端末の授業を見させていただきまして、英語の授業だったのですけれども、すばらしい使い方をしているなと感じました。
日本人はとにかく英語の授業を受けていても話せないと言われていますので、あのような授業を取り組みながらこどもたちがこれからもっと英語をたくさん吸収して世界に羽ばたいていけるように、話せる環境をたくさんつくっていただけたらいいなと思いました。
それから、先ほどもお話に出ていたそよかぜルームの話ですけれども、校長からいずれは普通教室にというようなお話がありましたけれども、今そよかぜルームにいる子たちだけではなくて、今普通教室にいる子たちにとっても、そういった環境をつくっていけばいろいろな形の子たちがいて、それを受け入れてというような社会性を勉強するような仕組みにもなるのではないのかなというふうに感じましたので、それをぜひつなげていっていただきたいなと思います。
それから、外国人の生徒に対しての支援の方がついていらっしゃいましたけれども、本当に丁寧に言葉を説明しながら日本語も覚えてもらいたいというような形で対応されているのだなと感じました。外国にルーツを持つこどもたちにとってはありがたい人材なのではないかなと思います。こちらの学校では、そのように外国人児童生徒支援員という形で2名いらっしゃって、市内全体では3名だと思うのですが、それで別の学校にいる外国籍のこどもに対する対応というのがどのような形で巡回をされているのかなということを一つ後でお聞きしたいなと思います。
(市長)
ありがとうございました。
それでは、続けてお願いします。
(教育委員)
本日はありがとうございました。学校の中を拝見させていただいて、まず感じたことですが、特別教室等を見させていただいて、その中に支援員の方がこどもに寄り添っていろいろな援助をしているということを目の当たりにして、教育委員会の会議の中でもそういう話が実際出てきていたのですが、今日初めて直接拝見させていただいて、その力というか、そういう方のいらっしゃることに、本当に学校運営していく中では大切なことだなということを改めて感じました。
授業におきましても、タブレットを使った授業、それは教育委員会のサーバーからこどもたちがそれを見て授業をしていくということで、やはり今後こどもが大人になったときには、どうしてもやっぱりそういうアイテムを使うケースが多くなってきます。ですから、今からこういう授業の取組が大切かなとも感じました。
また、先ほどそよかぜルームとか、多目的教室とかを拝見させていただいた中で、こどものそばに保護者の方が寄り添って一緒に授業を受けていたということは、学校から今度自宅に帰った後、流れとして学校でやったことを一緒にまた親がうちに帰ってできると。それに対して、また親からも学校にいろいろ質問等を聞いたりとか、その家庭と学校が一体化してこどもを教育していくということが、やっぱり大切ではないかなと感じております。
あと、校舎の中を歩いていくと、こどものいない教室がありました。私の解釈ですが、体育の授業でどこかに出かけているのかなとか、音楽とか美術の教室に行っているのかなとか、いろいろ考えたのですが、今なぜこんな話をするかというと、今日は風があって涼しいのですが、熱中症警戒アラートがここ数日、頻繁に出ていました。学校の中でも体育の授業等でそういう警戒アラートが発令されたときに、どのようにしているのか。また、教室では各部屋エアコンがついていまして、温度管理はできていますけれども、体育の授業でよく体育館とかを使います。体育館等では多分まだエアコン等の設備は整っていない。富士宮市はもうそういう方向で設備をするという話をお聞きしていますが、実際現場の方でそういう中で困っていることがもしあれば、この場を借りて教えていただければと思っております。
(市長)
ありがとうございました。
一通り4人の委員からお話を伺いましたが、この際もう少し付け加えたいというものがありましたら、順番によろしいでしょうか。
(教育委員)
9月の初旬に、大富士中学校で依頼があって、ボランティアでポルトガル語を話すこどもにマンツーマンで日本語を教えに行ったのですけれども、全く日本語が話せないこどもとマンツーマンで物の名前とか、だんだんとか、絶対とか、曖昧な表現も含めて教えていたのですけれども、私が大富士中にいるときに中3で、やはり海外から来た男の子を担任したことがあって、当時のことを思い出したら、文化が違っていて、水筒の中にコーラを入れてくるし、体育の時間「走って」と言うと、「えっ、苦しい。なぜ日本人は走るんだ」と言っていて、すごく楽しかったのですけれども、その子に教えてもらったのが「ごちそうさま」というのが「オブリガーダ ペラ ヘフェンサゥン」という言葉がまだ残っていて、そんなマンツーマンで人と関わるというのがこんなに楽しいのだなというのを学ばせてもらったのですが、その楽しい段階から学校全体でそういう多様なこどもたちに対応するということの大変さもあります。全く話せないのですよね。先日、対応した子については、日本の文化の中で一生懸命学ぼうとするその心根は非常に前向きで、純真で、すごく誠実に向き合おう、学ぼうという姿勢が私に伝わってきてすばらしかったです。
こういうこどもたちを学校現場では一人一人抱えながら、不登校の子もそうなのですけれども、先ほども御意見がありましたが、寄り添おうとする姿勢、それを支えてくださる行政があるのだなと感じました。今日小さいお部屋にもエアコンが全部ついていましたよね。施設をいろいろな教材を買って工夫する、その予算も恐らく市の予算ですし、そういった学校に寄り添ってくださる行政があって成り立っているのだということをすごく痛感しましたので、教員がこどもかわいさにああしてほしい、こうしてほしいという要望をたくさん教育総務課にも言うことがあるのですけれども、それに一つ一つ理解を示してくださろうとする。できないこととできることともちろん予算が絡むことですからあるのですけれども、その姿勢が市長はじめ、皆さんのお姿から見えて、今日は本当に感動しましたし、今回のこの総合教育会議が教育委員会だけではなくて、こども家庭統括監だとかいろいろなところからも見に来てくださって、合同でこういった話合いが現場を見ながらできるというのは、とても良いなと感じました
(教育委員)
各教室を見せていただいて、御苦労なさっていることがよく分かりましたし、それから生徒の皆さんがあそこではやっぱり自分の心を開いているという雰囲気がよく伝わってきました。その中で思うのは、今回の各教室で勉強しているこどもたちにも1人1台端末が整備されているのでしょう。それを使ったイメージがあまりなかったのですけれども、それはその子の状態によって端末を使うことが教育を進める上にとって必要なのかどうなのかという判断で使っていないのかということも感じられますけれども、教育委員会として1人1台端末の整備を進めるときに、例えば障がいを持ったこどもたちとか、あるいは様々な個別指導が必要な子たちに、その特別のプログラム、アプリとか、あるいは端末を使ってそういう支援をするとかというような方法論については考えたり、あるいは実践したりということをやっているのでしょうか。そこをお聞きしたいと思います。
(学校教育課長)
ただいまの御質問ですが、現段階では特にその特別なプログラムを端末の中にアプリとして入れているということはしておりません。今委員からお話を頂いて、さらにこの多様なこどもたちに対応していくためには、そういうこともこれから検討していく必要があるのではないかなと改めて感じました。ありがとうございました。
(教育委員)
ありがとうございます。先ほども外国人児童生徒の支援員のことについてお話しさせていただいたのですが、その支援員の方がいない際、例えば担任の先生が全く言葉が通じないような状況の児童生徒に対応するときに、翻訳機を使うことがあるのでしょうか。また、そういったものがもしあるとしたら、どのくらい用意されていると対応ができるのかなというところをお聞きしたいなと思います。
それから、先ほど伺っていた中で、段ボールで個別に囲いを作ってというものがありましたけれども、その段ボールはどのようにしてそれを調達したのですかとお聞きしたら、たまたまそれが地域新聞で欲しい人は電話をくださいというのが書いてあったので、そこからいただいてきましたなんていうお話を聞いたので、先生方のそういったアンテナを張った、そういうこどもたちのために対する御努力にも感銘いたしました。
(市長)
ありがとうございました。今の答えはいかがですか。
(大富士小学校長)
翻訳機についてはありがとうございます。活用を今積極的にしていないのですけれども、あることはあります。うちの学校の予算で購入して、経緯は分からないのですけれども、それをやって活用はしています。ただ、今言われて、そうだと思ったのは、もっと積極的に活用して、いろいろな国から来ていますので、そこで教員がそれを使ってやっていくことはやっています。ただ、古くてエラーも多いので、今後はそういう翻訳機があると助かるなと思っています。今言われたので、これからもっと積極的にそこも見直していきたいなと思いました。ありがとうございます。
段ボールについては、大富士小だけではなくて、市内の学校は皆努力しています。皆さん頑張って調達しています。
(教育委員)
今の翻訳機のことで、支援に当たっている人でも外国籍の子でなかなか言葉が通じないというところで助けてあげたいけれども、何もできないという、そういった経験のある方がたまたまいらっしゃいまして、そのお話を聞いたので、その人のところで活用していただけたらと思って伝えさせていただきました。
(教育長)
こどもたちが持っているクロームブックで、例えば翻訳アプリを使えるのではないかなと思います。
(教育委員)
大富士中でそれを使っていまして、生徒ももう使いこなしていましたので、それを使えば簡単にその機器がなくても実際にすぐできるかなと思います。
(市長)
それでは、最後にお願いします。
(教育委員)
先ほど授業を見せていただいていたのですが、途中d前から授業を見させていただくようにいたしました。そう申しますのは、前からだとこどもたちの顔がよく分かります。本当にこどもファーストでいろいろと先生方が御苦労なさって、手作りの教材を作ったりとか、いろいろやってくれるからこそ、こどもが先生の方に向いてくれる。だから、やっぱりこどもを向かせるには言葉ではなくて、そういう温かい気持ちというのが、今日回ってみてどこのクラスの先生方からも感じることができました。
それから、先ほどお話に出ていた中でやっぱりコミュニケーションを取る上では、言葉というのはとても大事だと思います。今いろいろお話を聞いていた中で、翻訳アプリを使えばという話で、委員から大富士中学校でもう既にやっているよと聞いたときに、やっぱりこれはこちらの小学校でもぜひそれを推奨していけば、もう既に大富士中でそのベースができているのであれば、続けてずっとそういうことが可能になるのではないかなと感じました。
(市長)
ありがとうございました。
一通り委員からいろいろ御意見がありましたが、ここで教育長から一つお願いいたします。
(教育長)
皆様、今日はありがとうございました。この総合教育会議の趣旨が首長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層民意を反映した教育行政の推進を図ることを目的とするという趣旨がございます。ぜひ皆さんに教育現場を見ていただきたい。それもどうせだったら夏休みで学校自体を見ていただくのではなくて、本当にこどもたち、それから先生たちがいるその生の教育現場を見ていただきたいという思いもありまして、お忙しい中ですけれども、わがままを言わせていただいて、大富士小学校の方に今日の受入れをしていただいたという経緯がございます。
首長と教育委員会がということですけれども、先ほど委員からも話がありましたように、今日は企画部ですとか保健福祉部のような市長部局の職員と一緒に現場を見て、こどもたちを見て、環境を見てというところに非常に意義があったかなと思い、目的が達成されたのではないかなということをまずもって感じました。
就任のときに、富士宮市全体のウェルビーイングの向上を目指したいという話をさせていただく中で、やっぱりウェルビーイングの実現向上には、これがないと達成できないなと思っているものが4つあるというお話をしたことがあります。
1つは、安全安心、これがないとウェルビーイングは実現できないということ。それから、2つ目は、こどもたちにしっかり身につけたい資質能力を育成するということも大切な要素である。3つ目は、学校における働き方改革の推進ということは待ったなしということを感じています。4つ目に、今日テーマになっている多様なこどもたちを誰一人取り残さない学校づくり、こういうものがないと、ウェルビーイングの実現向上は図れないだろうと思っている中で、今日はその多様なこどもたちに対して大富士小学校がどのように関わっているのかということを私たちの目で、耳で、肌で感じることができました。
多様なこどもというと、今日は教室に入れないこどもだったり、発達障害を持っているお子さんであったり、外国にルーツを持つお子さんというようなところでしたけれども、もっと今全国的に見てみると、LGBTQのお子さんであったり、あとギフテッドという言葉を聞いたことがあるでしょうか。特異な才能を持ったお子さんというような子も、そのマイノリティーの方に入ってきています。
今日は実際にそよかぜルームだったり、たんぽぽであったり、国際理解教室という環境と、それからやはり先ほども教育委員から話がありましたけれども、やっぱり人が関わってあげるという、教員だけではなくて、いろいろな方がそこに関わっているということがありがたいなと思いましたし、これからも大事にしていかなければならないなということで感じました。
それから、多様なこどもというと、さっき言ったようなどうしてもマイノリティーに目が行ってしまうのですけれども、大富士小は本当に800人余りの大勢のお子さんたちが通っている中で、ほとんどがマジョリティーというか、大多数の子たちもやっぱりそこでそれぞれの個に応じた、個性を持った子たちを大事にしながら、全てのこどもたちを取り残すことなくということで、そんな中で何度もお話が出ているように、校長からそよかぜを教室にという言葉は、とてもすばらしいなと思いますし、それを受けて授業改善をして、その子たちだけではなくて、全てのこどもたちがその恩恵を受けるようにということで進めてくださっている取組はすばらしいなと思います。ぜひ学校全体にそよ風を吹かせていただければなと思っています。
ぜひ今日の総合教育会議をこれからの教育行政に係る様々な施策等の参考にしていきたいなと思っております。今日は本当にありがとうございました。
(市長)
私の方からまとめとして話をさせてもらいますが、その前に、今日学校の中をぐるっと見させていただいたのですけれども、私が市長になって公約の一つとして、教育施設整備の充実をやってきました。それで、ちょうど時代も時代でパソコンの時代になってきまして、こどもに対する1人1台端末、これもなるべく早くこどもたちに使ってもらった方がいいということでやってきました。それが大分前ですけれども、家に持ち帰っては駄目だというふうな話も出ましたけれども、家に持ち帰って、そしておもちゃのようにいじりまくって、駄目になっても次のやつを買ってやるような、そういうようなことでもって早く慣れて、そしてそれを使いこなせるような情報社会に負けないようなこどもを育てようということでやってきましたが、それが今功を奏してといいますか、こどもたちにとって大変いいおもちゃをあてがったかのように、本当によく覚えてきちんとそれを使いこなせるようになったということは、大変喜ばしいことだなと思っています。
それから、二つ目として、市長になったすぐの年に扇風機を各教室に2台ずつ付けました。もう暑くてしょうがないということで、最初は喜ばれたのだけれども、だんだん扇風機よりももっと暑くなってしまうような気候になってしまって、それでこれではしょうがないなということで、どこの市よりも早くエアコンを普通教室だけではなくて、特別教室までつけたということが、市の職員も忙しい思いをしたので、そのスピードアップによって実現できました。今日も各教室に行ってみて、良かったなと感じています。特に特別教室にも早くやってよかったなと思っています。
それから、今委員の方から話に出ました体育館のエアコンについてですけれども、これもまた本当に一刻も早く、一日も早く設置しないといけないなということは痛感しておりまして、前にも申し上げましたけれども、ここ一、二年のうちに34校全ての学校にエアコンをつけようということで、今指示しております。財源はどうするのだという話もありますけれども、財源はいろいろな人から寄附していただいたり、あるいは積み立ててきた教育施設整備の基金がありますから、それを使って何とかしたいなというのと、それからもう一つ、国の補助金の制度がまだ確立していない、今検討中ですけれども、その補助金を何とか活用したいと思うのですけれども、どうしても補助金が制度的に間に合わないようなら、市の単独事業でもやると。どうしてもこどもの命と暮らしと教育の環境をつくるということと同時に、避難所の快適な状況をつくるということも大きな役割もありますものですから、来年、再来年ぐらいかけてどうしてもやらなければならないなという思いで今担当者にもお願いをしている状況であります。
これもよその市はなかなかやらない、そんな簡単にいかないということで、市長会などでも議論が出ていますけれども、私はとにかく市民の安全安心を考えた上で、早くすべきだということでやろうとしておりますが、御理解のほどよろしくお願いします。
さて、まとめとして、学校における多様な支援が求められる中、大富士小学校は市内でも富士根南小学校に続く大規模校であり、820人もの児童が通っています。見学させていただきました大富士小学校をはじめ、市内の小学校では、教職員や支援員の御協力の下、それぞれの児童の状況に合わせた手厚い支援が行われていることがよく分かりました。本当に感謝します。これは本当にこどもたちの気持ちを理解して、それでいろいろ問題のあるこどもたちにも辛抱強く見守って指導していくということ、いかに大切なことであり、また大変なことであるということを痛感いたしました。市としてももうできるだけの応援はしていかなければならないなと思っております。
少子化が進行している今、次世代を担う児童生徒は、富士宮市にとって大切な存在、宝であります。今後も引き続き支援の必要な児童生徒には、個々の状況に合わせた手厚い支援がされ、充実した学校生活を送ることができるよう、学校関係者の皆様にはこの場をお借りしてお願いを申し上げ、私のまとめの言葉といたします。本当に今日はありがとうございました。また、よろしくお願いします。