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富士宮市について

~地元出身 甲斐みのりさんが案内する~富士宮めぐり_vol.46~vol.56(最後に)

2022年03月04日掲載

富士宮市出身で、文筆家の甲斐みのりさんが、富士宮をめぐり、気になるスポットをご紹介する「みやめぐり」。
富士宮市LINE公式アカウントで、毎週金曜日に配信しています。このページは、過去の配信内容を掲載しています。
 ※ お越しの際は、マスク着用や手指消毒など新型コロナウィルス感染症対策の徹底をお願いします ※


アーカイブ~甲斐みのりの「みやめぐり」~

甲斐みのりの「みやめぐり」最後に

みやめぐり冊子

令和3年1月から、富士宮市の公式LINEアカウントにて、週一度の配信が始まった「甲斐みのりのみやめぐり」。一年以上続いた連載も、おかげさまで最終回を迎えました。

18歳までを今も実家のある富士宮で過ごしながら、なかなか帰省できない時期もありましたが、「みやめぐり」の取材をきっかけに改めて地元を見つめ直した一年でした。取材のちょっとした裏話としては、なかなか富士山に姿を見せてもらうことができず、そこが一番の苦労でしょうか。それでも、そのおかげで、より富士山の存在を感じることができました。

この1年も、世の中が大変な時期ではありましたが、富士宮をまだ訪れたことがない方に、いつか富士宮を旅してみたいと思っていただけるよう、思いを込めて文を書きました。また、地元のみなさんには、豊かなまちで暮らしていることを実感していただければと願っています。
取材・撮影に協力してくださった店舗・施設のみなさま、一緒に富士宮を巡り「みやめぐり」を作成したスタッフの方々にも感謝いたします。

このLINE配信を冊子にまとめた『みやめぐり まちなか編』はすでに発行されていますが、令和4年の4月頃には、続編となる『みやめぐり 富士山編』の配布が始まる予定です。ぜひ2冊の冊子を手に、富士宮めぐりを楽しんでください。
R4.3.4 甲斐みのり

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.56

「暮らしcafe」

富士宮市街地や養鱒場を見下ろす小高い丘の上。きりっとシックな色合いにリノベーションされた住宅の一角に、〈暮らしcafe〉はあります。店を一人で切り盛りしているのは、数年前までケアマネージャーとして働き、優しく穏やかな人柄が親しまれる平野さん。以前から雑貨を集めるのが好きで、いつか店を開きたいと思っていたところ、さまざまなタイミングが重なって3年前にカフェを開くことになりました。

店で使用している扉などの建具や家具の一部は、市内の助産院が木造の建物を取り壊す際に受け継いだもの。客席とキッチンの間の木の小窓は、ナースステーションで使われていたそうです。その他のテーブルや器などは、平野さんが自宅で大切に使い続けていたものを持ち込み、白壁に木の床の温かな空間にしっくりと馴染んでいます。

メニューはシンプルに、コーヒー、紅茶、ハニートースト、ピザの4種類。〈自家焙煎珈琲豆シロネコ〉の豆で淹れるコーヒーには、旧芝川町地区でオーガニックのパンや焼き菓子を販売する〈どってん家〉のお菓子が添えられます。平時は養鱒場の水の音が聞こえるのどかな空間。控えめに会話を楽しむ友だち同士、一人静かに本を読む人、訪れる人はみな暮らしの中の寛ぎの時間を、思い思いに過ごしています。

R4.2.25配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.55

「choricapo coffee」

ご近所の大工さんとともにハーフビルドしたという、住宅街の店舗兼工房。扉を開けるとふくよかなコーヒーの香りが漂い、ホッと優しい気持ちに包まれます。コーヒー豆は全て、少量でも焙煎可能な小型焙煎機を使って店主自ら焙煎したもの。だいたいいつも、ガラス瓶に入ったコーヒー豆が10種類ほどカウンター前に並んでいます。それぞれ産地・特徴・香味が異なるので、自分で香りを確かめたり、店主に嗜好を伝えながら好みの味を導き出すのも楽しいひととき。混雑していないときに限りますが、カフェスペースでのんびりゆっくり待ちながら、焙煎したての豆を持ち帰ることもできます。

カフェは、店主が集めた本やレコードが興趣を添える穏やかな空間。そこで味わえるメニューは、コーヒーや自家製レモネードはもちろんのこと、固めに焼いた懐かしい味わいの「カスタードプリン」や、コーヒー風味の「チョコモカロール」など、手作りおやつが大好評。コーヒーもデザートも、掛川の陶芸作家「Ivy Pottery」の器を使用しています。ちなみに店名の「チョリカポ」とは、店主の愛猫にちなんだ造語なのだそう。

R4.2.18配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.54

「お好み食堂 伊東」

富士宮市は静岡県内で焼きそば店がもっとも多く、固くてコシがある蒸し麺を使った「富士宮やきそば」が名物。市内には150軒近く富士宮やきそばが食べられる店があるけれど、その代表店として知られるのが昭和50年創業の〈お好み食堂 伊東〉。静岡らしく桜エビ入りも選べる少し甘めのソースの富士宮焼きそばや、お好み焼き、お好み焼きと富士宮やきそばを合わせた富士宮ならではの広島風モダン焼き「しぐれ焼き」が、リーズナブルに味わえます。

さらには、餃子やもつ焼きなど、おつまみメニューも豊富。富士宮焼きそばが一大ブームをおこす前は、近所の人たちが昼から夜にかけて食事を楽しんでいた名残です。焼きそばやしぐれ焼きが焼き上がるまでの待ち時間には、静岡名物・黒はんぺんも取り揃う、セルフサービスの「おでん」をほおばるのも定番。実家の食卓のように落ち着く小上がり席もありますが、大きな鉄板を取り囲むカウンター席では、店主の伊東滋さんが手際よく焼き上げる姿を目の前で見られる特等席です。

住所:富士宮市淀師468-2
電話:0544-27-6494
営業時間:10:30~17:30
休業日:毎週月曜、火曜

R4.2.11配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.53

「雲上かき氷/UNJYOCOFFEE」

富士宮市のふるさと納税にも選ばれる雲上水は、富士山の雪解け水を地下180メートルから汲み上げたバナジウム天然水。祖父が始めた事業を受け継ぎ、富士山富士宮口五合目に続く標高590メートルの道沿いで、現在は3代目が、雲上水を使ったかき氷とコーヒーを通年味わえるスタンド式店舗を開いています。

飲料水としてはもちろん料理にも適した雲上水は、レストランはじめ、かき氷店やコーヒー店からも一目置かれる名水。3代目がかき氷を始める際、今は亡き東京のかき氷店店主に食べさせてもらった、氷を薄く長く削って積み重ね、ふわふわの食感に仕上げる作り方を目指したと言います。かき氷のシロップは全て自家製。いちごは地元の農家から、練乳は〈いでぼく〉の牛乳というふうに、富士山周辺の素材をふんだんに取り入れています。静岡市〈島仙珈琲〉の豆を使いハンドドリップで淹れるコーヒー目当てにわざわざ足を運ぶ人も。繁忙期の夏は定番のみですが、秋から冬にかけては期間限定メニューが登場。実はかき氷は、氷がよりきめ細やかで溶けにくい冬がもっともおいしい季節なのだそう。イートインスペースは、野外と屋内どちらでもあるのでご安心を。水は1リットル30円で持ち帰りでき、ペットボトルでも販売しています。

R4.2.4配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.52

「佐野牧場ティコ」

富士山麓で昭和初期から酪農業を続ける「佐野牧場」。令和元年には、良質な生乳生産に取り組む酪農家から選ばれる「関東生乳品質改善共励会」で最高賞を受賞しました。そんな高品質の生乳を使って作る、濃厚で口溶けのいい自家製ソフトクリームは、「SA・PA ソフトクリーム総選挙2018」で第1位に輝いた実力派。品評会で入賞した牛の名前が店名の由来となる直営店「佐野牧場ティコ」で、目の前にそびえる富士山を眺めながら味わうことができます。

他にも、自家製牛乳にソフトクリームがのった「ミルクでミルク」や「ヨーグルトサンデー」など、デザートメニューも豊富。生地にたっぷり牛乳を使用して、もっちりとした食感に仕上げたクレープは、生クリームやあずきと合わせるデザートクレープだけでなく、サラダやてりやきチキンなどの惣菜クレープも人気です。

R4.1.28配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.51

「喰い物屋KOTETSU」

かつて店主が飼っていた猫・コテツがその名の由来となる無国籍料理の店。DJブース、レコード、スターウォーズのピンボールゲーム、音楽や映画のポスターやチラシ、釣り道具、観葉植物が客席を取り囲む、賑やかな店内。
高校時代にはラジカセを抱えてスケードボードを乗りこなし、ブラックミュージックをはじめアメリカ文化に親しんできた店主の、趣味の部屋を訪ねたような楽しさがあります。

世界各国の料理をベースにしたカレー、ジャマイカのジャークチキン、メキシコのチリビーンズ、アメリカンなサンドイッチやピザ、マレーシア風のまぜうどんなど、世界旅行をしているようなメニューが並び、食事、居酒屋、カフェと、それぞれの過ごし方ができる自由な雰囲気。登山歴も長い店主手作りのおいしい昼食とガイド付きで富士宮近辺の山歩きができる「山めし屋KOTETSU」もコテツならでは。ブルーキュラソーの「空」、ミントの「森」、ピーチ&ストロベリーの「夕焼け」、レモンスカッシュの「三日月」など、詩的な色と名前のクリームソーダは新たな名物です。

R4.1.21配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.50

「いでぼく」

明治時代から農業に取り組み、1960年に酪農業を開始した〈いでぼく〉。牛乳として飲むのに適した「ホルスタイン種」、濃厚な味わいでジェラートやバター作りでも要となる「ジャージー種」、高タンパクでチーズに加工してもおいしい「ブラウン・スイス種」、この3種類の牛乳を瓶詰めで販売しているのは日本で唯一。

牛たちがストレスなくのびやかに過ごす牧場に併設された、ミルクバー&ジェラートショップ〈ミルクハウス〉や、チーズ&ピザショップ〈大地〉では、屋外席でさまざまなメニューを味わえます。しぼりたてのミルク、自慢の生乳を使った無添加のジェラート、新鮮な牛乳の風味を活かしたチーズ、酵母菌・乳酸菌で作った手作り生ヨーグルト、パンや焼き菓子、自家農園で育てる野菜まで、ホームメイドの品々がずらり。60年前の開拓時代と同じように昔ながらの鍋と飯ごうで作る、数量限定の「牧場まかないパン」も自慢の味です。

R4.1.14配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.49

朝霧高原もちや

「朝霧高原もちや」

昭和37年にヨモギを使った草大福の製造販売から始まった「もちや」。当時は職人の手で餅をつき、包餡も手作業でおこなっていました。昭和47年には正面に雄大な富士山がそびえる朝霧高原に、ドライブインと遊園地を開業しました。

ドライブインのレストラン&売店では、名物のおもちを使った甘味や雑煮、富士宮の市の魚でもある「にじます」を使った定食や富士宮やきそばを味わえるうえ、名物の草大福もおみやげとして販売。アスレチックをはじめ子どもたちの遊び場も充実した大自然の中の遊園地は、25000坪という広大な敷地。バーベキューキャンプやグランピング会場としても有名で、満点の星空と富士山を間近に感じることができます。

R4.1.7配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.48

「明月堂」

“富士山のわたぼうしのよう”と称されるように、パウダースノーのような粉砂糖をまとい、ふんわりとしたブッセに、ピーナッツ味のバタークリームをはさんだ「ロマンス」は、創業から50年を数える和洋菓子店を代表する銘菓。和菓子職人だった父の元で育ち、洋菓子の修行を経て富士宮に戻り店を継いだ2代目が考案しました。

最近では、和洋菓子どちらもを学び父と2人でお菓子作りをおこなう3代目が手がけるお菓子も店頭を彩ります。そのひとつが、ゼリーやフルーツの果肉入りムースを、どら焼き生地ではさんだ「フルーツサンどら」。いちご、白桃、みかん、メロン、ぶどうなど、さまざまな味が取り揃います。他にも、バターとレモンの風味がつまった「マドレーヌ」や、しっとりとした焼き皮に自家製あんをはさんだ「どら焼き」、栗入りクリームをシュー生地でくるんだ「シューロール」、ショートケーキにプリンアラモードなど、それぞれのお菓子に根強いファンがついています。

R3.12.24配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.47

「ディマンシュ マタン」

フランス語で“日曜日の朝”という意味の店名を持つ洋菓子店。地元や水戸の洋菓子店で修行を積んだオーナーパティシエが、平成13年に富士宮市民プールの近くにオープンしました。ブルーグリーンの2階建ての建物は、フランスの田舎町にある洋菓子店のような愛らしい佇まい。店内も、絵本に登場する“お菓子のお家”のような雰囲気で、心が弾みます。

季節のフルーツをふんだんにつかった生菓子は、常時20~25種類ほど。プレゼントにも喜ばれる焼き菓子は、30~40種類ほど取り揃い、どれにしようか目移りしてしまいます。定番の中では、レアチーズケーキに甘酸っぱいカシスソースを合わせた「フロマージュクリュ」、ふんわり生地の「フルーツロール」、ドーム型の見た目も楽しい「まんまるチーズスフレ」をはじめ、プリンやガトーショコラが人気。ケーキに合う紅茶や、焼き菓子と合わせて贈りものに選びたい雑貨類も並んでいます。

R3.12.17配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

甲斐みのりの「みやめぐり」vol.46

「あざみ」

源頼朝ゆかりの「狩宿の下馬桜」のすぐそばにあり、「白糸の滝」からも車で5分ほど。座敷や駐車場から雄大な富士山を目の前に望む料理店。伊勢海老、天然のすっぽん、深海魚、季節ごとの魚……隠れ家のように山里にありながら、なんと名物は海鮮。富士市の割烹料理店〈あやめ〉で修行を積み、魚市場で働いていたこともある魚好きの大将が、静岡市や富士市の漁港や漁師から直接仕入れたり、ときに自ら釣った魚も、その日の品書きに並びます。

「食べることも、食べてもらうことも好きで、どうしたらお客さんのおいしい顔を見ることができるかいつも考えている」という大将の料理は、味のよさはもちろんのこと、ボリュームと価格のバランスも折り紙つき。殊にランチの「海老天丼」は、えび5本、かぼちゃ2枚、さつま2枚、にんじん、あしたば(野菜は時期により多少の変動あり)と、からっと揚がった天ぷらが富士山のように高々とどんぶりに盛り付けられて1390円。海の幸たっぷりで1380円の「海鮮丼」と合わせて、ひっぱりだこの店の顔です。(土日祝は税別です)

住所:富士宮市狩宿53
TEL:0544-54-1777
営業時間:11時30分~13時00分, 17時30分~20時30分
定休日:月曜日

R3.12.10配信
文・甲斐みのり
写真・鍵岡龍門

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甲斐みのりさんプロフィール

甲斐さんは、富士宮市出身の文筆家(エッセイスト)で、旅やお菓子、雑貨などを主な題材に、書籍や雑誌などに多数執筆。
食・店・風景・人、その土地ならではの魅力を再発見するのが得意。
地方自治体の案内パンフレットの制作についても実績がある。
(宮崎県川南町、東京都杉並区、和歌山県田辺市ほか)

*富士宮市LINEにて毎週金曜日に配信中*

地元出身・甲斐みのりさんの「みやめぐり」。
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甲斐さんの優しく温かな文と、どこか懐かしさを感じる写真を見て、ほっと一息ついてみては?
地元の人にも、まだ富士宮を訪れたことがない人にも、おすすめのコンテンツです。

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