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富士宮市について

副市長コラム

2015年03月26日掲載

副市長のコラムを掲載しています。(平成26年度分)

惜別の季節

通い慣れた庁舎にもお別れです     66人の方が通いなれた庁舎を後にします

 3月は、惜別の季節です。
 この時期によく引用されるのが「年々歳々花相似たり歳々年々人同じからず」春の花は毎年同じように咲くが人は毎年変わっていく、という人の世の移ろいを詠った漢詩の一節です。
 今年も、富士宮市役所で働き60歳となる方々が、定年退職を迎えます。
 3月31日には、退職辞令の交付式があり、それぞれが次の人生に向かって歩み出して行きます。 
  

 若き日に富士宮市の職員となり、家庭を築き、子供を育て、40年近くを市民生活の向上と市の発展のために尽くされ、それぞれに様々な想いや感慨があることと思います。
 私自身は今年65歳になりますが、定年を前に59歳で退職し、引き続いて副市長の職に就いたため、いまだに「卒業のケジメ」がついていません。
 そのような気持ちの中で、毎年後輩の職員を見送ることはまことに寂しく、ある意味、取り残されたかのような気持ちにもなります。
 特に、市の幹部として共に苦労した部長職の皆さんについては、格別の思いが込み上げてきます。
 心からご苦労様でしたと申し上げます。
 今、頭の中を、様々な言葉や曲がよぎります。
  「月日は百代の過客にして行きかう年もまた旅人なり」 松尾芭蕉 
  「散るぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」 細川ガラシャ
  「♪去りゆくあなたへ~贈る言葉~」 海援隊・武田鉄也
 3月は、やはり惜別の季節ですね。

富士宮青年会議所例会で講演

講演のようす

富士宮青年会議所から依頼を受けて、11月例会で講演しました。
青年会議所は、組織からの卒業は40歳と定められており、メンバーの顔触れは、次代を担う20代30代の若者で、他の集まりにはない活気を感じました。
例会は、開会宣言から始まり、次第に沿って歯切れよく進められ、特に、岩見理事長や佐野直前理事長のスピーチは、自分の経験から感じられたことを自分の言葉で端的に述べられ、熱い思いが伝わってきました。
今回の私の講演のテーマは「都市の盛衰・富士宮市の可能性」とし、40年に及ぶ私の市役所生活から感じた「まちづくり」について話しました。

ディスカッション

要旨としては、
 ・ まちは30年で激変する
 ・ 都市の発展、停滞の分かれ道
 ・ 富士宮市の過去の政策
 ・ 世界文化遺産登録を契機とした新しいまちづくり
 ・ 都市の未来を左右する将来人口
等について約50分話をしました。
私は、年に数回、このような講演を行う機会がありますが、今回の講演は、聞き手であるメンバーの目が生き生きとしており、話す私も彼らに引き込まれて熱くなり、講演というよりも演説調になってしまいました。
限られた時間の中で、どのくらい私の思いが通じたか分かりませんが、今までにない手ごたえを感じました。
講演の後は、まちづくりについてのグループディスカッションが行われ、短時間で、現状の課題や解決策が次々に出され、グループごとに「まちづくり提言」にまとめられ、発表されました。
ユニークな提言も多くあり、いますぐの実現性ということよりも、富士宮市の将来を考え、目的、手法、成果について、こだわりのない意見がどんどん出てくるところにパワーを感じました。

岩見理事長岩見 有祐 第43代理事長と

市役所でも若い力が伸びてきています。
官、民を問わず、次の時代は確実に彼らの力により切り開らかれます。
2014年度の富士宮青年会議所のスローガンは「明るく・元気に・前向きに:LOVEふじのみや」です。
頼もしいですね。期待しています! 

特区についての学術講演会

講演会のようす

中央大学の学術講演会に出席しました。
この講演会は、中央大学と全国にある学員会(OB会)の共催によるもので、様々なテーマについて、専門の教授による講義を聴講することができます。
今回は、テレビのコメンテーターとしてもおなじみの野村修也中央大学法科大学院教授による「国家戦略特区について考える」というテーマの講演でした。
会場となった三島市民生涯学習センターには、後援していただいた三島市の豊岡市長や大勢の市民、中大OBの方々が聴講しました。

講演会後、記念撮影

講演の内容が、今、注目されているアベノミクス第三の矢(成長戦略)に係るものであったことから、大変興味深く聴くことができました。
とりわけ「特区」の本質が、地域振興や地域特権ではなく、規制緩和の全国展開のための社会実験であり、このことが多くの場合誤解されていると野村教授から指摘され、「そうだったのか!」と目からウロコでした。
というのは、当市を含め、全国の市町村の受け止め方として、「特区になれば、法律で規制されていることが特別に認められ、地域特権を得ることにより通常ではできない地域振興策が可能となる」と理解されていたからです。
しかし、現実には、特区に指定されても、農地法や都市計画法の規制が外れることはほとんどなく、市街化調整区域における開発を目論んできた首長からは、「何のための特区だ!」と失望の声も上がっていました。
特区が、「全国展開しても差し支えのない規制緩和の社会実験」と考えれば、個別の法律を所管する国の省庁が、現行の都市計画(線引き)が骨抜きになりかねない規制緩和を認めるはずがないということが理解できます。
ことの良し悪しはともかくとして、我が国においては、都市計画に限らず、医療、雇用、教育、農業などの多くの分野において、「岩盤規制」と言われる規制が依然として存在し、
発展の阻害要因となっていることを知ることができました。
何十年ぶりに大学の講義を受けているような気持になり、年老いても学ぶことの新鮮さを感じることができました。
講演会終了後は、野村先生を囲んでOB懇親会が行われ、テレビ出演の裏話などを伺い、楽しいひと時を過ごすことができました。

静岡県東部都市副市長会議

オープンしたばかりの「きらら」で会議オープンしたばかりの「きらら」で会議

静岡県東部11市の副市長が集まり、共通の課題についての意見交換や視察を行う会議が富士宮市で開催されました。
副市長の職務は地方自治法で「市長を補佐し、政策企画をつかさどり、職員を指揮監すること」と定められています。
一言でいえば「市長の女房役」ですが、職責が市の業務の全てに及ぶため複数の副市長を置く自治体も多く、静岡県東部では、富士市、沼津市、伊東市、御殿場市が2人の副市長を置いています。
さて、このたびの副市長会議は、今年4月にオープンしたばかりの富士宮駅前交流センター「きらら」を会場としました。
各市の副市長さんは、電車待ちの学生のための勉強スペースや国際交流機能もあるマンションとの複合施設に興味津々でした。
討議課題は、「国に準じた給与削減に対する対応」という、かなり生々しいテーマでしたが、各市それぞれの事情や考え方について知ることができ、大変中身の濃い会議となりました。

白糸の滝整備された滝つぼを見ていただきました

午後からは、富士山世界遺産登録の構成資産である富士山本宮浅間大社、村山浅間神社、滝つぼの整備が完成した白糸の滝の視察を行いました。
この3月まで富士山文化課長であった郷土資料館館長の説明により、改めて富士宮市が富士山文化の聖地であり、浅間大社の門前町として1200年の歴史があることを理解していただけたと思います。
今回は、視察終了後、希望者による交流会を提案したところ、全市の副市長さんに参加していただき、市の施設を貸与している「サクヤ長屋門ダイニング」で和気あいあいの楽しいひと時を過ごしました。
各市の副市長さんからは口々に「富士宮市には他市にはない歴史的な財産があり、市街地に静岡県の世界遺産センターの建設も決まりこれからの発展が楽しみですね。」と声をかけていただきました。
今回の会議や視察、交流会を通じて富士宮市の文化や観光について情報発信し、また副市長という共通の職責をもつ皆さんと親しく知り合い、意見を交わすことができ、大変有意義な一日でした。

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