市政の運営へ

富士宮市について

令和6年度 施政方針

2024年02月08日掲載

令和6年度の施政方針を掲載しています。

1 はじめに

 令和6年度の一般会計予算をはじめとする予算関係議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の市政運営の基本的姿勢と重点施策を申し上げます。

 まずは、本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
 本市においては、国や県などの要請に基づき、これまでに緊急消防援助隊の派遣や災害派遣医療チーム(DMAT)、災害支援ナースの派遣、そのほか給水支援活動や被災建築物応急危険度判定、下水道管路被害調査、避難所運営、罹災証明交付など、様々な業務に対して職員を派遣し、支援を行っているところであります。
 今なお、厳しい生活を余儀なくされている被災者の皆様が、一日でも早く平穏な日々に戻られますよう、これからも最大限の協力をしてまいりたいと考えております。
 この度の地震では、短時間で到達する津波や数多くの家屋の倒壊、大規模な火災や地割れによる道路の寸断など、改めて地震に対する恐怖を感じたところであります。
 本市においても、南海トラフ巨大地震や富士山噴火の発生による被害のほか、台風や大雨などの風水害による被害も予想されますことから、この度の地震災害を他人事とせず、かけがえのない市民の生命、財産を守るため、被害を最小限に抑えるための防災対策の一層の強化に努めてまいります。

 次に、令和5年度を振り返りますと、これまで世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症が、昨年5月に感染症法上の「2類相当」から「5類」に移行しました。
 制限のない経済社会活動が再開されるなど、今までどおりの日常が戻ってきたことへの嬉しさを感じた一年となりました。
 しかしながら、市民の生活に目を向けますと、エネルギー・原材料の価格高騰や、円安による輸入コストの上昇などに伴う物価高騰が長期化し、市民や事業者にとって大変厳しい状況が続いたことから、市民の暮らしを守ることを最重要課題として取り組んだ年でもありました。

 さて、令和6年度は、第5次富士宮市総合計画後期基本計画も3年目を迎え、令和7年度のゴールまで残り2年となることから、これまでの課題を整理し、将来都市像「富士山の恵みを生かした 元気に輝く国際文化都市」の実現に向けて、さらに取組を加速させなければならない年と考えております。
 同時に、将来予測が困難な厳しい時代の中において、これからの本市の明るい未来を見据え、新たなビジョンや施策を検討する次期総合計画の策定を進めていく年でもあります。
 次期総合計画では、将来都市像や重点取組、基本目標などと併せて、将来都市像の実現に向けた土地利用構想も定めます。
 土地は、市民生活や産業活動を将来にわたって支えるかけがえのない資源であることから、長期的な展望に立って総合的かつ計画的な土地利用が図られるよう計画の策定に努めます。

 富士宮市は、富士山から多くの恩恵を享受し、さらに多くを学び、発展してきたまちであります。
これからも、富士山のあるまちに住むことに誇りを持ち、富士山を守り続けることの責務を果たすとともに、富士山が持つ国際的な知名度や文化的な価値を生かしたまちづくりに努めていかなければなりません。
 長引く物価高騰や国内外における不安定な社会情勢など、この一年も難しい市政の舵取りとなりますが、安全・安心に、そして心豊かに暮らせるまちを市民の皆様に実感していただけるよう、市政運営に最善を尽くしてまいります。 

2 市政運営の基本的姿勢

 それでは、令和6年度の市政運営の基本的姿勢について申し上げます。

 はじめに、我が国の経済は、約3年間続いたコロナ禍による様々な制約が解除されたことにより、正常化に向かいつつあります。
 雇用・所得環境が改善する中、30年振りとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済の先行きにも前向きな動きが見られます。
 一方で、海外における世界的な金融引締めの影響や中国経済の先行き懸念、アメリカ合衆国大統領選挙の動向などに対する海外景気の下振れリスクがあるほか、国内においても、長引く物価高騰やそれに伴う消費マインドの低下、「2024年問題」による人手不足の影響への懸念など、今後の景気動向にはこれまで以上に注意が必要です。

 令和6年度の国の予算編成における基本方針では、持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日本経済を本格的な経済回復と新たな経済成長の軌道に乗せていくため、構造的賃上げの実現、官民連携による投資の拡大、少子化対策・こども政策の抜本的強化など、重要な政策課題について必要な予算措置を講ずるとしております。
 そうした状況の中、本市においては、国の動向を注視し、情報収集に努めるとともに、長引く物価高騰への対策や本市においても重要施策となっております少子化対策・こども施策及び脱炭素 社会の実現に向けた各種取組の強化、自治体DXの推進、防災・減災対策などについて、今後も積極的に取り組んでまいります。
なお、国の動向に対する情報収集の具体的な方法の一つとして、令和6年度より、国や静岡県東京事務所などへの職員の定期的な訪問を考えております。
 人的なネットワークを作ることで、いち早く市政運営に必要な情報の把握に努めるとともに、首都圏における広報活動の推進、市内への企業誘致や市内の就職情報の提供なども行ってまいります。

 それでは、以下、第5次富士宮市総合計画にあります三つの重点取組に沿って、令和6年度重点施策の大要を申し上げます。

3 令和6年度重点施策

 第5次富士宮市総合計画では、将来都市像に相応しい魅力溢れるまちづくりを進めるために、総力を挙げて取り組むべきテーマを「三つの重点取組」として掲げております。
 中でも、少子化は危機的な状況にあることから、働く場、遊ぶ場の確保をはじめ、社会の意識改革にも取り組むなど、少子化対策・子育て支援策の更なる充実を図ってまいります。
 それでは、令和6年度における「三つの重点取組」について、具体的に申し上げます。

 まずは、重点取組1「恵み豊かな未来づくり ~世界遺産のまちづくり~」について申し上げます。

 はじめに、「世界遺産のまちづくりプロジェクト」についてであります。
静岡県富士山世界遺産センターや富士山本宮浅間大社周辺を中心とした中心市街地の整備、白糸ノ滝や村山浅間神社などの各構成資産の整備、富士山の景観や歴史、文化の継承などの施策を、引き続き進めてまいります。
 中心市街地の整備につきましては、世界遺産のまちづくり整備基本構想を改定し、世界遺産富士山に相応しい美しく品格のあるまちづくりを行うため、「清流の美」、「空間の美」、「庭園の美」をキーワードに、心の癒されるまちの具現化を図ってまいります。
 ハード面では、静岡県富士山世界遺産センターから富士山本宮浅間大社までの参道軸創出に向けた用地交渉を継続するとともに、用地取得が完了した場所から順次整備を行ってまいります。
 浅間大社第二駐車場の神田川沿いについては、令和5年度に行った遊歩道整備を、さらに北側の御手洗(みたらし)橋まで延伸させる  2期目の工事を行います。
 浅間大社西側市有地については、整備事業者である株式会社江戸屋本店の新店舗が、この春に開店する予定です。
 この店舗が、まちなかのにぎわい創出の新たな拠点となることを期待しております。
 そのほか、各構成資産の整備については、白糸ノ滝エリアにおいて、白糸ノ滝整備基本計画に基づく整備を進め、富士山眺望を確保するため、音止の滝東側の景観保全エリアの樹木伐採と植樹を進めます。
 また、高齢者や障がい者、要介護者など全ての人が大パノラマの白糸ノ滝を楽しめるよう、滝つぼに至るまでの最適な経路等の検討を行ってまいります。
 村山浅間神社については、石段の修繕を実施するとともに、安全確保のための手摺り設置の許可を国に強く求めてまいります。
 富士山の玄関口である富士宮駅前広場等整備については、ペデストリアンデッキへのトイレ設置やLED化工事を行い、景観とユニバーサルデザインに配慮した快適で機能的な空間への整備を進めます。
 また、富士宮駅に隣接する西駐輪場の拡張整備についても、測量等の準備に入ります。
 商店街活性化の推進については、空き店舗等への出店者に対する創業支援を実施し、中心商店街の活性化を図ります。
 文化財保存活用地域計画の策定については、市内の歴史・文化 資源をまちづくりに生かすとともに、地域社会総がかりで後世に引き継ぐことを目的に取り組みます。

 次に、「世界に飛躍する国際文化都市プロジェクト」についてであります。
 観光については、国内外において自然、文化の魅力発信やE-BIKEの活用などによる観光誘客を継続して行います。
 また、県に対しましては、富士山5合目レストハウスの早期整備はもとより、100年先までも使用可能な質の高い施設となるよう求めるとともに、猪之頭公園の整備については、当地域が本市の地下水の水源地であることを念頭に置いた整備を強く要望してまいります。
 そのほか、本市の懸案であります宿泊施設等の誘致については、国内外からの観光客が滞在できる環境整備を図るとともに、多くの集客交流が見込まれる場の確保に向けて、宿泊施設の需給状況の調査や宿泊事業者に対する誘致活動を行います。
 スポーツ大会誘致事業については、卓球Tリーグの開催をはじめとしたプロ及び実業団チームによる大会を開催します。
 また、全国規模のスポーツ大会の誘致活動についても、積極的に行ってまいります。
 国際化の取組については、グローバル化が進展する中、自治体においても地域の活性化を図るため、海外との地域間連携の重要性が高まっていることから、4つの提携都市との都市交流を継続するとともに、地域の強みや特性を活かした海外都市とのネットワークづくりを進めます。
 また、中学生を対象とした世界にはばたくこどもたち育成事業、高校生を対象とした未来を担う高校生人材育成事業についても、引き続き実施してまいります。

 次に、「富士山後世継承プロジェクト」についてであります。
 世界遺産推進事業については、令和6年度を世界遺産登録20周年に向けたスタートの年と位置付け、世界遺産富士山の価値の向上及びインバウンド需要への対応などに向けて、様々な事業を行ってまいります。
 具体的には、世界遺産周遊モニターツアーやデジタルスタンプラリーなどを実施するほか、市史編さんについては、民俗編及び通史編1の刊行に向けて、調査及び執筆を行います。
 また、市民文化会館の休館に伴い、当館内の郷土資料館の資料を市役所市民ホールや公民館に展示するなど、文化財の移動展示を行います。
 (仮称)郷土史博物館事業については、洪水浸水想定区域内に立地している埋蔵文化財センターの文化財を早急かつ適正に保存・管理する必要があることから、文化財の移転先、保存管理方法について調査検討します。
 昨年は、清水港へのクルーズ船の寄港や富士山静岡空港での 国際便が再開されたことに伴い、日本の歴史や文化に興味を持つ外国人観光客が数多く本市を訪れていることから、本市の豊かな歴史や文化を魅力的に伝える郷土史博物館の整備は必要であり、なるべく早い時期に建設したいと思っております。
 また、以前から御提案いただいておりました駐日ネパール大使からの都市交流につきましては、世界一の山“エベレスト”を持つネパールのまちと日本一の山“富士山”のまち富士宮市との交流は、共に世界遺産であることを通して、多様な価値観や新たな視点から見たふるさとの良さ、課題の再発見、そして自らの価値観を広げることにもつながることから、前向きに検討してまいります。

 次に、「自然環境と共生した持続可能なまちづくりプロジェクト」についてであります。
 ゼロカーボンシティの推進に向けて、各家庭や事業者向け創エネ・蓄エネ機器設置に対する補助の対象メニューを拡充し、更なる促進を目指します。
 また、公共施設の一部において、昨年度のLPガスに続き、カーボンニュートラル都市ガスを導入します。
 ごみのリサイクルでは、令和6年度からプラスチックの分別収集を開始するとともに、これを再商品化することで温室効果ガス排出量の削減を図ります。
 さらに、清掃センターの焼却灰についても、その処分を全て外部に委託し再資源化することにより、鞍骨沢最終処分場の延命化を図ります。
 そのほか、森林環境譲与税を活用し、施業が困難な森林や荒廃が進む小規模な森林の整備に対する支援を始めます。

 次に、重点取組2「いきいき元気な未来づくり ~安全・安心なまちづくり~」について申し上げます。

 まずは、「元気はつらつ健康長寿プロジェクト」についてであります。
 健康づくりについては、各種がん検診などを積極的に周知し、市民がいつまでも健康長寿でいられるよう努めるほか、自転車に触れる機会を提供し、自転車を利用する意識を向上させる取組や継続してラジオ体操に取り組む自治会に対する奨励金の交付など、市民の健康づくりを推進します。
 質の高い医療サービスの提供については、地域の基幹病院である市立病院の機能の整備及び充実を図ります。
 具体的には、既存のMRIをより機能の充実した最新の高度医療機器に更新します。
 さらに、開院以来37年が経過し、医療技術の進歩とともに医療環境及び施設の老朽化への対応も必要となってきたことから、市立病院の現状分析を行うとともに、市立病院の医療環境のあり方の検討を始めます。
 そのほか、地域医療に対する取組として、救急医療センターの安定的運営を確保するほか、二次救急医療機関の医療機器整備に対する助成を行います。
 また、住み慣れた地域で安心して生活できるようにするため、既存の相談支援や地域づくり支援の取組を生かしつつ、これまで分野別の相談支援体制では解決が困難であった制度の狭間にいる人たちへも適切な支援を行う重層的支援体制を整備し、本市の実情に応じた包括的な支援体制を構築します。
 そのほか、令和6年度から3年間の介護保険料については、介護費用の増加が見込まれる中、一部の高額所得者を除き、経済的負担増とならないよう、介護給付費準備基金を取り崩して保険料の基準額を据え置きます。
 スポーツによる健康づくりと人々の交流機会の創出に向けては、スポーツ施設の整備として、ストック適正化計画に基づき整備を進めてきた外神スポーツ広場の夜間照明がこの春に完成します。
 これにより、夜間にも利用可能なスポーツ施設の充実が図られることから、市民の更なるスポーツ振興と交流機会の創出に寄与するものと期待しております。
 なお、令和6年度は、市民プールの屋内プール水槽改修を行います。

 次に、「災害に負けない強靱なまちづくりプロジェクト」についてであります。
 令和6年度につきましては、先の能登半島地震もあり、市民の防災対策への関心の高まりも予想されることから、TOUKAI-0事業を通じて木造住宅等の耐震化を、引き続き支援してまいります。
 また、災害時における要援護者支援事業については、災害対策基本法の改正に伴い、本人の同意を得た避難行動要支援者名簿を発災前から自主防災会に配布するとともに、優先度の高い方の個別避難計画についても、実用性を増したものとなるよう支援体制を強化します。
 そのほか、多様な災害に対する公共施設やインフラの強靱化については、公共施設の耐震化や安全で快適な道路整備に継続して取り組むとともに、主要な機械及び電気設備についての劣化状況調査を行い、建築物と併せて、短期保全計画に基づき計画的かつ効率的な改修を実施します。
 具体的には、令和6年度の完了に向けて、芝川中学校校舎改築工事、富士見小学校屋内運動場改築工事及び市営万野住宅E棟建替工事を実施するほか、東小学校管理教室棟等改築工事や市民文化会館の耐震化、長寿命化及び環境改善を併せたリニューアル工事にも着手します。
 また、黒田小学校屋内運動場改築に向けた地質調査、基本設計及び実施設計を行うほか、中央消防署芝川分署については、洪水浸水想定区域内に位置していることから、災害等の影響が少ない適地に移転するための測量及び地質調査を実施します。
 インフラ整備については、都市計画道路田中青木線の整備及び岳南北部地区幹線道路の整備を引き続き進めます。
県道清水富士宮線及び県道三沢富士宮線の整備については、県等の関係機関へ強く要望し、一日も早い完成を目指すとともに、国道469号の整備促進や新広域道路交通計画に位置付けられた富士富士宮道路の建設促進に向け、国道に隣接する市町と連携して、国・県等の関係機関へ強く要望してまいります。
 また、市道維持補修については、引き続き、舗装及び橋りょうの長寿命化を図ってまいります。
 そのほか、災害に対応した都市づくりを推進するため、災害のリスク情報や都市の現状を整理した結果を踏まえ、防災都市づくり計画を策定します。
 さらに、市街地の浸水被害の軽減と区域内の安全確保を図るため、公共下水道事業認可区域の雨水対策として、内水浸水想定区域図の作成及び淀師地区の管渠新設工事を実施してまいります。

 次に、「地域コミュニティ充実プロジェクト」についてであります。
 (仮称)富士根交流センターの整備については、令和7年度中の開館を目指し、造成工事及び建設工事を開始します。
 芝川地域の拠点施設として、新稲子川温泉ユー・トリオのプール棟を解体し、跡地をキャンプ場として活用するための設計を行います。
 また、令和6年度からは、自治会が管理する区民館等の空調設備の新設又は既存空調設備の取替えに対して、新たに補助金を交付することで、地域コミュニティ活動をより一層推進させるほか、市街化調整区域に存在する空き店舗等で事業を行う人に対して、改修工事に要する経費を補助するなど、集落拠点の機能強化を図ります。
 公共交通に関しては、令和5年度に引き続き、稲子地区で宮タクの実証実験を行い、地域の生活交通における更なる利便性の向上を図ります。
 多文化共生社会の推進については、誰もが安心して住み続けることができるコミュニティの充実を図るため、「やさしい日本語講座」を行うとともに、外国人向け「初期日本語教室」を開催します。

 次に、重点取組3「誰もが輝く未来づくり ~人口減少を克服するまちづくり~」について申し上げます。

 まずは、「結婚・出産・子育ての希望実現プロジェクト」についてであります。
 子育て世帯への医療費負担軽減策として、18歳までのこどもの通院1回500円の自己負担を0円とする、こども医療費の完全無償化を10月からスタートします。
 不妊・不育症治療に係る医療費についても助成を継続し、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援に努めます。
 また、若者の出会い・交流の機会を増やすため、著名な婚活コーディネーターを講師に招いたセミナーの開催や勤労者の出会い交流ができるイベントを実施します。
 さらに、結婚を希望する人への支援を強化するため、令和6年度から、対象となる年齢要件を緩和します。
 そのほか、誰もが身近で楽しく過ごせる場所、安全・安心に楽しめる憩いの場を創出するため、公園の整備を進めます。
 具体的には、新たな都市公園となる(仮称)山本高原公園については、6月までの完成を目指すとともに、城山公園の防球ネット及びダッグアウトの更新並びに明星山公園整備に向けた実施設計を行います。
 外神東公園については、老朽化に伴い安全の確保が困難となった現在の木製遊具の「外神城」を解体し、大型遊具に更新します。
 また、白尾山公園については、頂上周辺の眺望環境の整備に着手します。
 さらに、芝川地域についても、遊具の設置に向けた場所の選定を進めるとともに、適地が見つかり次第、複合遊具を設置します。
 令和4年度に国がスタートさせた出産・子育て応援事業については、妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施し、安心して出産・子育てができる環境整備に努めます。
 子育て支援としましては、産後の療養を希望する産婦に対し、母子の健康管理や相談、その他必要な保健指導を行う産後ケア事業を引き続き実施するとともに、令和6年度からは、より多くの方に利用していただくために利用者負担を軽減します。
 さらに、小・中学校、公立・私立保育所等における給食賄材料費のうち、物価高騰分を市が補てんすることにより、保護者の経済的負担を軽減します。
 なお、学校給食費の完全無償化については、引き続き、全国市長会等を通じて国に強く働きかけを行ってまいります。
 そのほか、子育てにやさしいまちづくりを進めるため、高校生を対象とした子育て支援講座の開催など、ふじのみやベビーステーション事業の充実に向けた取組を行います。
 保育環境の改善に向けては、保育士確保イベントの開催や出展を行うなど、人材確保及び就業支援に取り組むほか、保育士の業務負担軽減のため、保育所等で清掃や給食の配膳などの保育の周辺業務を行う人の配置を支援する保育体制強化事業を始めます。
 また、社会の意識改革を目的に、父親の育児参画応援として冊子を作成し、父母が協力して行う子育てを支援します。
 そのほか、本市のこども施策を総合的かつ強力に推進するため、国のこども大綱に基づくこども計画を策定するとともに、こども家庭庁の発足などを受け、新たに庁内全般のこども施策の統括及び調整の役割を担う「こども家庭統括監」を配置します。

 次に、「女性が輝く、さくや姫プロジェクト」についてであります。
 女性の活躍推進については、女性応援会議で広く意見を聴き、女性の活躍を応援するための施策を進めます。
 さらに、社会における女性活躍の機運醸成を図るための講演会やセミナー等を開催し、女性のスキルアップ及び女性が活躍する環境づくりに対する支援を行います。
 また、子育て中の母親の目線から、富士宮市の様々な魅力を発信するハハラッチ事業を実施します。
 男女共同参画の推進については、第4次男女共同参画プランの策定に着手するとともに、性別に関わりなく個性や能力が尊重され、誰もが自分らしく生きられる社会を目指すジェンダー平等やLGBTQに関する啓発を行います。

 次に、「ここで働き、ここに住むプロジェクト」についてであります。
 企業誘致・留置への取組としましては、人口減少社会への対応や更なる産業基盤の強化に向けた地域産業の活性化や雇用の場の確保を図るため、優良企業の新規進出及び事業拡大を継続して支援してまいります。
 また、企業立地推進については、市街化調整区域における地区計画制度を活用した民間主導の工業団地整備計画について、協議を進めてまいります。
 中小企業等への支援策としましては、富士宮商工会議所、芝川商工会、富士宮信用金庫及び富士宮市の4者の組織連携による多面的な総合相談窓口である「ビジネスコネクトふじのみや」による支援を充実してまいります。
 また、近年課題となっている事業承継について、専用ポータルサイト等を活用し、具体的な支援を促進させます。
 農業分野では、オーガニックビレッジ宣言に向け、国のみどりの食料システム戦略推進交付金の取組の一つである有機農業 産地づくり推進事業の実施計画を策定するため、研修会や先進 都市への視察、マルシェへの出展支援など、試行的取組を実施します。
 そのほか、UIJターンを促進するため、全ての高校生に対して「企業ガイドブック」を配布するとともに、企業の求人情報を掲載したジョブマッチングサイトを作成し、市内事業所の魅力を発信します。
 さらに、採用活動の一つとして、WEB(ウェブ)を活用した首都圏の学生と地域の企業をつなぐオンラインインターンシップを実施し、若者が地元に戻ってくる「人の流れ」を創出します。
 移住・定住に向けた取組としましては、移住・定住奨励金の拡充や移住希望者のニーズを的確に把握するため、首都圏などに移住相談窓口を増設し、移住者の増加を図ります。

 次に、「みんながつながる関係人口創出プロジェクト」についてであります。
 まずは、関係人口の創出に向けた首都圏シティセールス推進事業について、首都圏に住む人が抱く本市のイメージをより良好なものとするため、ターゲットやテーマを絞った効果的な情報発信を行います。
 さらに、地域おこし協力隊の活動による地域間の交流を通じて、地域の活性化や関係人口の創出、移住定住環境の充実を図ります。
また、地域の担い手となる「新たな力」を掘り起こすため、富士宮駅前の寄附を受けた建物等を、若者がイベントやお試し出店などのチャレンジできる場所として有効に活用します。
 ふじのみや寄附金事業については、ふるさと納税の募集及び市外の寄附者に返礼品の提供を行い、まちの魅力を効果的に発信します。
 あわせて、官民連携による地域課題の解決と地方創生のより一層の推進に向けて、企業版ふるさと納税についても積極的な活用を図ります。
 情報発信推進事業については、引き続き市民や団体、企業などと連携して、まちの魅力発信に取り組みます。

 次に、「人口減少社会に打ち克つスマート自治体プロジェクト」についてであります。
 市民サービスの向上につながる取組については、市民文化会館のリニューアルに合わせて施設予約システムを導入し、市民の利便性の向上に努めます。
 また、各出張所に住基CS統合端末を導入し、マイナンバー カードに関連する一連の業務を可能とさせるほか、新たに規定されたカード券面へのローマ字表記を可能とするプリンターを設置するなど、行政手続のオンライン化の推進による市民サービスの向上と市役所市民課窓口の混雑緩和につなげます。
 富士市及び富士宮市共同電算事業については、基幹業務のシステム標準化を含む第3期共同電算事業の実施に向けた事業者選定等を行います。
 また、自治体DXを推進するため、引き続き、民間手法を活用した事務改善のコンサルタント業務を実施します。

 最後に財政運営についてであります。
 本市では、これまで積極性と健全性が両立したメリハリのある財政運営に努めるとともに、将来負担に配慮した本市独自の財政規律を設定し、持続可能な財政運営の確立を目指して取り組んでまいりました。
 その結果、財政の健全性を示す指標である「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」及び「将来負担比率」は全て適正な水準を維持しています。
 また、財政調整基金をはじめとする各種基金につきましても、決算剰余金を活用した計画的な積立てを行っており、今後の財政需要や市債償還等に対応する財政基盤の強化にも努めております。
 しかし、市税については、経済社会活動の正常化が進み、徐々に改善傾向が見られるものの不確実性が高く、国からの交付金等についても、コロナ禍での危機対応モードから平常モードへの切り替えが進むことから、今後の推移を注視していく必要があります。
 令和6年度は、第5次富士宮市総合計画後期基本計画の折り返しの年となることから、本市が目指す将来都市像の実現に向けて、様々な事業を積極的に推進していかなければなりません。
 今後の財政運営については、物価高騰の影響がしばらく続くものと見込まれるとともに、急速な少子高齢化の進行や人口減少への対応、公共施設やインフラの老朽化対策、デジタル化の推進に伴う経費増加など様々な課題はありますが、今後とも、財政の健全性に配慮しつつ、事務事業の見直しによって経常経費の増加を最小限に抑え、限られた財源を効率的かつ効果的に活用していくとともに、中長期的な視野に立った財政運営を行ってまいります。

 私の市政運営に対する理念は、「富国有徳の理想郷ふじのくにづくり」の実践であります。
 心豊かな生活を送ることができる活力ある元気なまち、優しさと思いやりを大切にするまちとなるよう、「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」、「出会ってよし 結ばれてよし」を合言葉に、令和6年度も引き続き、市民の皆様の幸せを願い、市政運営に邁進してまいります。

4 おわりに

 昨年は、コロナ禍による制限が緩和され、市内各地で様々な行事や交流事業が復活し、私自身もその多くに参加させていただき、市内に活気が戻りつつあることを肌で感じました。
 特に、各地域で執り行われた祭りなどの行事では、これまでコロナ禍により希薄となっていた人と人とのつながりや交流が、ようやく取り戻せたのではないかと嬉しく思いました。
 『人がまちを創る』
 私は、この先の人口減少が進む社会において、地方行政が目指すべきものは、“末永くそこに集い、住み続けたい”、そう思える“人が主役”のまちづくりだと考えています。
 そして、これからの富士宮市を、心豊かに安心して暮らせるまちにしていくためには、何よりも『思いやり』と『助け合い』の心を持った多くの人が集うまちにしていくことが重要であると考えています。
 孔子の教えに、「近きもの悦び 遠きもの来る」という言葉があります。
 “そこに住む人が満足し、喜び合えるまちを作れば、その噂を聞いて、遠くの人々もそのまちに自然と住みたくなる”と教えています。
 私は、この孔子の教えを座右の銘として、この富士宮市のまちづくりに市民や職員と一緒に力を合わせていくことが大事だと思っております。
 世界遺産のまちに相応しい品格のあるまちづくりをこれからもしっかりと進めることにより、住む人や訪れる人が、富士山をはじめとする豊かな自然環境や歴史、文化を通じて“心の豊かさ”や“癒し”を得られる、そのような素晴らしいまちを市民の皆様とともに築いてまいります。

 本年は、干支で言えば甲辰(きのえ・たつ)であります。
 「甲(きのえ)」は、物事の始まりを表し、「辰(たつ)」は「昇り龍」などと呼ばれるように、勢いよく活気にあふれた様子を意味しています。
 「甲(きのえ)」と「辰(たつ)」の組み合わせから、「新しいことに挑戦して成功する」、「これまで準備してきたことが形になる」と言われています。
 3年以上に及ぶ新型コロナウイルス感染症の制約を受けたことで、私自身も不完全燃焼な思いを強く感じております。
 “これまでにやり残したことを成し遂げる。”
 富士宮市の更なる発展のため、将来の夢と希望を語り、高い理想や目標を掲げ、その実現への道を示し行動を起こすことが、リーダーである私の使命であると感じております。
 まさに、この令和6年度は、“将来の富士宮市の発展につながるその道筋が見え始めて、これまでできなかったことが 少しずつ形になっていくのを実感できる年”にしたいと思っております。
 これからも、富士山のあるまちの市長として、自ら先頭に立ち、市民の皆様とともに力強く市政運営に邁進してまいります。

 終わりに、市民の皆様、そして議員各位の御理解と御支援をお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

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