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後藤清吉郎資料館の活動

2013年07月25日掲載

後藤清吉郎資料館の活動について紹介します。


※後藤清吉郎資料館は、平成23年9月をもって閉館致しました。ご協力、ありがとうございました。

はじめに

富士山本宮浅間大社の北側に、「後藤清吉郎資料館」(以下、後藤資料館)があります。ここは、富士宮市が誇る和紙工芸家、後藤清吉郎が住んでいた家です。富士宮市教育委員会では、平成20年7月5日に、清吉郎の功績を広く市民の方に知っていただくため、資料館として開館いたしました。この後藤資料館の企画・運営は、「運営サポーターの会」(清吉郎の教えを受けた方や、和紙や染色に興味がある方が入会している)によって行われています。

1.後藤清吉郎

まずは、について紹介したいと思います。
清吉郎は、明治31年(1898)、大分県に生まれました。日本画・洋画・染色・デッサンなどを学び、昭和20年(1945)に富士宮市に来住しました。清吉郎は、柳宗悦のすすめで全国の紙漉き場を行脚し、手漉き和紙を研究し、駿河半紙の復活や、金唐革紙(金唐和紙)の復元に取り組み、和紙工芸の発展に大きな功績を残しました。また、公民館の成人学校講師を長い間勤め、地域の芸術文化の振興に尽くしました。

後藤清吉郎和紙工芸家:後藤清吉郎

2.後藤清吉郎資料館の活動内容

後藤資料館の活動で中心となるのが、展示会です。常設展示室では後藤清吉郎についての説明や、彼の著書などが展示されています。企画展示室では、後藤資料館が開館してから現在まで、4回の展示会が行われてきました(表1)。現在は、「後藤清吉郎作品展」が開催されています。

表1:過去の展示会

回数・展示会名 期間 企画
1 和紙工芸家・後藤清吉郎のはじまり展 H20.7.5(土)~H21.3.21(日) 富士宮市教育委員会
2 和紙の型染展 H21.3.28(土)~H21.10.10(日) 後藤清吉郎資料館運営サポーターの会
3 和紙の漉き合わせと漉き込み展 H21.10.17(土)~H22.9.4(日) 後藤清吉郎資料館運営サポーターの会
4 後藤清吉郎作品展 H22.9.11(土)~現在開催中 後藤清吉郎資料館運営サポーターの会

展示会のほかの活動として、実際に清吉郎から指導を受けた方を講師に、紙漉きや染色を行う体験会や、後藤清吉郎を学ぶための講習会があります。ただ体験するだけ、話を聞くだけでなく、講師から清吉郎との思い出などを聞くことが出来、後藤資料館ならではの体験ができます(表2)。

表2:これまでの体験会・講習会

回数・企画名 開催日 場所
1 型染め講習会 H20.8.30・31(土・日) 後藤清吉郎資料館
2 根北小5年生紙漉き講習(計2回) H21.2月上旬 富士根北小学校
3 後藤清吉郎先生の本を読む会 H21.6.13(土) 富士宮市立中央図書館
4 デッサン会 H21.9.20(日) 後藤清吉郎資料館
5 手漉き和紙体験講座 H21.11.2(月) 後藤清吉郎資料館

3.現在の展示会

現在の展示会は、「後藤清吉郎作品」展です。富士宮市が所蔵している作品の中から、型染め絵・型紙・金唐革紙(金唐和紙)・水彩スケッチの作品、計24点を展示しています。
はじめに、型染め絵と型紙について説明します。型染め絵は、模様を彫った型紙の上から防染のための糊を引き、彩色をして、最後に糊を洗い流すと完成します。型染め絵のために使用される型紙も、彫りが細かく、目を見張るものがあります。この展示会では、型紙とセットで展示している作品もあります。
次に金唐革紙(金唐和紙)について説明します。金唐革紙とは、江戸時代の日蘭貿易により日本に入ってきた「金唐革」を模造したもので、革の代わりに和紙を用いて作られた、疑革紙の一種です。明治期には海外にも輸出されるほど生産が盛んでしたが、次第に衰退し、生産が中止されました。
清吉郎は独自の方法でこの金唐革紙を復元し、自身が製作した金唐革紙を「金唐和紙」と呼びました。そして、金唐和紙を使って小箱や小筒等を製作しました。紙でできているため軽く、実用性のある作品になっています。
最後にスケッチについてですが、清吉郎を良く知る運営サポーターの会の会員の話によると、清吉郎は常々、「型紙を彫る時は、スケッチをすることが重要」と語っていたようです。そんな清吉郎の想いを伝えたくて、水彩スケッチを展示しました。

金唐和紙作品「小筒」 金唐和紙作品「小筒」

水彩スケッチ「栗」 水彩スケッチ「栗」

おわりに

今回は、後藤清吉郎資料館の活動について紹介してきました。後藤資料館の活動はその活動を担っていただいている会員の皆様の、清吉郎を広く市民の方に知ってもらいたいという想い、また、富士宮市の芸術文化をもっと発展させたいという想いが、これらの活動となって現れていると思います。後藤清吉郎を知っている人も、知らなかった人も、会員の想いが詰まったこの後藤清吉郎資料館に、是非一度足を運んでみて下さい。また、運営サポーターの会の会員になってみたい、と思われる方は、富士山文化課までご連絡下さい。興味がある方なら誰でも大丈夫です。宜しくお願い致します。

お問い合わせ

教育委員会事務局 教育部 文化課 埋蔵文化財センター

〒419-0315 静岡県富士宮市長貫747番地の1

電話番号: 0544-65-5151

ファクス: 0544-65-2933

メール : maibun_center@city.fujinomiya.lg.jp

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